少しでももう一度家族が集まって、仲良くできたら。
それはお節介だってことくらいわかってる。
だけど仁くんなら喜んでくれると思って………
「美桜ちゃんの提案だよ。」
「仁、あんたいい彼女もったわね!」
「………そっか………そんなの、美桜が僕にはもったいないことくらい自分が一番知ってる。」
そしてやっと仁くんは座ってくれた。
「いつぶりだろうな、こうして家族で食事をするのは。」
仁くんのお父さんが少し切なそうな顔をした。
「そうだね……、色々あったからなぁ。」
仁くんの姉も同じような顔をし、少し目が潤んでいるように見えた。



