「ほら、早く行くよ!」
ついにはそっぽを向いてしまう私。
そんな私を見てクスッと笑って仁くんには全てお見通しのようだ。
何も言わずに着いてきてくれた仁くん。
だけどディナーのレストランに着き、予約した席に行くとまた仁くんが目を見開いて驚いていた。
これも予定通り、想定内だ。
「………仁、お誕生日おめでとう。」
「おめでとうー!さすが私の弟!かっこいいわね。」
「な、んで……父さんと姉ちゃんがいるんだ………?」
そう。
今回の誕生日は最高のものにしたかった。
だから仁くんのお父さんと姉にも協力してもらったのだ。



