そして個室から出ると近くで仁くんがすでに待っていた。
だけどそのあまりのかっこよさ、存在感に私だけでなく従業員やたまたま通りかかった客までもが仁くんを見て固まっていた。
………うわぁ。
仁くんってどこまでも完璧だ。
あらかじめ用意してあった服もめちゃくちゃ似合ってるし、仁くんも高校生に見えない。
そして仁くんが私に気づいてふわり、と優しく笑った。
その笑顔に胸が高鳴ってしまうのも無理はない。
「ここまで用意してくれていたんだね。」
「まあね……さすが私でしょ?」
胸の高鳴りは抑えられない。
「そうだね。
美桜………本当に綺麗だ。」
仁くんはストレートに言葉をぶつけてくるから余計心臓に悪い……!
「し、知ってる……!」
どうしても素直になれない私は仁くんのことを褒めることはできなかった。



