「もう今更やっぱなし、はダメだからね。
ちゃーんと録音もしておいたから。
なんとなく予想してたんだよね、勝負持ちかけられるかもって。」
そう言って仁くんは悪魔のような満面の笑みで、さっきの会話の音声を流し始めた。
『負けた方が一日勝った人の犬になること。
それでいい?』
『望むところよ!!』
「…………うわぁ美桜、これはやられたな。」
「諦めるしかないね。」
沙彩も菜々子も気の毒そうに私を見ている。
「………何がやられたって?
どうして諦めなきゃいけないの?
…………ぜっっったいに次こそ仁くんに勝ってやるから!!」
そして仁くんを手なずけてやる!
そう心に決めながら、思いっきり仁くんを睨んでやった。
だけどやっぱり仁くんは余裕そうに笑っていて………
それから約2週間後にテストが行われ、そのまた1週間後に結果が返ってきた………。



