仁くんの姉が忘れ物でもしたのかな?


なんて思いながら開いたドアの方を見ると………



「…………え?」
「………あ………」



私を見て驚く男が1人、家に入ってきた。


それが誰なのかすぐにわかった。


仁くんのお父さんだ。


だってどこか仁くんに似ていて、かっこいい人だったから。


まあ仁くんの方がかっこいいけれど、この人も中々のかっこよさで実年齢よりもだいぶ若く見えてるはずだ。


「………あ、えっと……」


なんて答えたらいいかわからないでいたら


「仁の彼女かな?」


と想像とは違った優しい声音で私に微笑みながら話しかけてきた。