私は急いで俯いた。


「ほら、美桜照れてる。
本当に顔に出やすいんだね。」


「そんなの言葉にしなくていい!」


「………ああ、そんな美桜も素敵だ。
本当はキスしたいんだけどうつったら嫌だからね。


今日は我慢としようか。」


「だったら早く寝て!」


そして私はこれ以上心臓がもたないと判断し、仁くんから離れてベッドから降りた。


「えー、どうして離れるの?
今ここでは誰も邪魔がいないのに………」


「早く治して学校に来てほしいから。
仁くんがいないと…………違和感しかない。」


やっぱり素直になれなくて寂しい、とは言えなかった。


でも仁くんには伝わっただろう。


「え!待って今寂しいって言ったよね!?
遠回しに言ったよね!?」


………ほら、やっぱり。


「言ってない。」


「ちょちょちょっと待ってね僕すぐ治すよ!
今から寝て明日万全の体調で美桜を愛してあげるからね!?」


「…………うん、だから早く寝て。」


だけど私が少し素直になったばかりに中々寝てくれない仁くんであった…………。