「だから僕、自分でも驚いてるよ。
まさか自分がこんなに重い人間だったなんて……」
うん、重いじゃ済まされないよね。
ついでに変人だし。
「重いってわかってるなら少しくらい軽くしなさいよ。」
あえて同情の言葉なんて口にしない。
あの女、のことも聞かない。
向こうが話してくれるまで待ってあげる。
だからいつも通り接するんだ。
「………無理だね。
まず軽くする方法を僕は知らない。
それに美桜はこんな僕のことを好きなんだろう?」
「…………っ、うるさい……!」
いつも男たちは私を前にして余裕をなくすのに、なんで仁くんは………
そんなに余裕なのか、一枚上手なのか。
「………美桜……大好きだよ。」
私の心をこんなにも乱してくるのか。
「仁くんのバカ!あんたが私のこと好きってことくらい知ってる!
いちいち言葉にするな!」
「今の美桜は可愛いね。
愛情表現は大事だよ?」
そう言うと仁くんは私の顔を見るようにして抱きしめていた手を離す。



