「じゃあね仁、美桜ちゃん。
多分仁は病人だから今日は手出さないだろうから安心して?」
最後は意味深な笑みを見せて帰っていった仁くんの姉。
今日は手を出さない?
私には危険な香りしかしないんだけど!!
「…………美桜。」
「やだよ!今日は仁くん熱だしてるんだからダメ!!」
「え?僕まだ名前しか呼んでないんだけど。
もしかして美桜自身、期待してるんじゃない?」
………うわぁ、最悪だ。
騙されてしまった。
最後に仁くんの姉があんなこと言うから悪いんだよ!
そう頭で言い訳をし、すぐ仁くんに否定の言葉を口にした。
「期待してない!さっさと離れて寝ろ!
私にうつっちゃうじゃん!」
少し抵抗してみるも、まさかの病人の仁くんにも敵わない私。
どんだけ力強いのこの人。



