「………。」
「どうしたん?美桜。
めっちゃ機嫌悪いけど。」
「本当にね。天童くんと何かあったの?」
ある日の昼休み。
私の機嫌はすごく悪かった。
この2人は私が不機嫌になるとすぐ仁のことに繋げてくる。
まあ間違いではないけどさ。
「別に。」
「あ、わかった!天童くんが告白されてるところ見たんでしょ?
一個下の学年の中で一番可愛いって言われてる後輩だったからもう噂まわってるって。」
菜々子は自信ありげに言った。
その通りである。
もうその噂は学校中に広がってるし、私はその現場を目撃したのだ。
後輩の女は仁くんの手を握って
「天童くんの彼女より私の方が幸せにできます」って言ってたし。
仁くんも断ってたけど手をすぐに振り払わなかったし。
それがもうムカついてムカついて。
いや、その子より私の方が可愛いじゃん。
なんですぐふらないの?って思った。
結局途中で逃げてきたけど。