「待ってよ美桜。」


仁くんだけが私を惑わす。


完璧という肩書きを崩してくる。


なんで………私だけなのよ。
なんで仁くんはいつも余裕なの?


こんな美少女の私を前にしても1つも動じないなんて………


仁くんの方が上、ということか。


それがまた気にくわない。


「美桜、歩くの早いよ。」
「どうせすぐ追いつくくせに……」


「それでも僕はゆっくり照れる美桜が見たいんだ。」


こんな気持ち悪い発言をしているのに、私はそんな仁くんも好き。


悔しいけど、きっと大好きなんだ………。