ーー家を出て数分


私たちは行くあてもなく歩いていた。


いや、それは語弊があるかもしれない。
だって………


「この後どうしようか。
僕の家に来るかい?」


と明らかに悪巧みの顔をしながら言われたのだが、即刻断ったからだ。


「いやあ、それにしても美桜?
僕は嬉しかったよ。


まさか美桜から『邪魔するな』っていう言葉が出るなんて。」


「何よ。悪い?」


私はきつく仁くんを睨む。