あれから2ヶ月ちょっと


無事に大学に合格した。



今は、卒業を間近にしている。



クラスの中の1席。



空いている。真ん中の。


席替えをして6人バラバラの席に。



真ん中。そう空いている席が神楽だ。



神楽。まだ目を覚まさずに眠っている。




卒業式まで後3日。



6人で卒業したかった。


神楽…



「星!!神楽も卒業するんだよ!あんたが落ちてどうするの!この美穂と秋様がいる限り!泣くことは、許さんぞ!」


そう言って笑わせてくれる2人。



今では、神楽がいない教室は、当たり前となってしまった。



少し寂しいが仕方ない。



毎日神楽のことを考えて終わる。



それを繰り返せばほら。



もう卒業式だ。



神楽の名前をとばしていう。



合唱をして退場する。



外に出れば少しずつ花を咲かせる桜に雲が浮かぶ青い空に。



前を見れば…



前を見た。私の目の前には、いるはずのない人。



ずっと目をつぶる姿が綺麗だと思っていた。



相変わらずカッコイイと。



今目の前に大好きな笑顔。



卒業証書を持ち上履きを履いてる足。



そんなの関係ない。



そのまま体が勝手に駆け出す。



ちかずくと車椅子に乗った神楽。


「星。卒業おめでとう。間に合ってよかったよ。どうだ?泣いたか?びっくりしただろう!」



何がびっくりしただろうよ!


そのまま抱きつく。



「おァわ。…星。ゴメンな。心配したよな?俺は、生きてるよ。ちゃんとお前と生きていくよ。」



「もうそんな事どっだっていい!神楽!神楽!うぅっぅうわぁっうっぅぅ」



泣きわめく私を大好きな暖かい腕で包む。