見てほしい、なんて思ってから数十分。

ルウは今お風呂入ってるんだけどすごい緊張

お風呂に行く前に言っといたんだよね。
「私がお風呂から上がったら話があるって」

だからなんか緊張するの。

本当の私をみても嫌わないでほしい。


「ハルー?空いたよー」

「あ、うん。」


脱衣場に行き服を脱ぐ。

それから…ウィッグも取ってカラコンも取る

私、本当は金髪で青い目をしているの。

お父さんがロシアの人でハーフなんだ。

でもこの見た目でいじめられたことがあるからあまり人に見せたくないんだ。


転校してきた理由だってそれが原因だ。

入学して最初の数ヶ月はまだ大丈夫だった。
話してくれる人もいたし、孤独じゃなかった。

でも半年が経つと私の周りには誰もいなかった。

みんな私を遠目から見てるだけ。

話したそうにこっちを見ていた人がいたから話しかけると顔を真っ赤にして逃げていくし。

真っ赤にして怒るくらい話しかけてほしくなかったのかな…


他にも帰り道で誰かに付けられていたり、誘拐もされかけた。

何でかは知らないけど。

だから少し怖い。

でも!覚悟を決めてルウに言おうと思う。


お風呂から上がりそのまま何も変装をせずにルウの所へ向かった。

「あ、おかえり。話って…」

ルウは目を丸くして驚いた。

そりゃあそうだよね。ブスなのに金髪で青い目なんて。

「あんたそんなに可愛かったの?」

え?

「なんで可愛いのに隠すの?」

ルウに理由を全て説明した。
ルウは冷やかしもせずにちゃんと聞いてくれた。

「そっか。辛かったね。でも大丈夫、これからはあたしがずっとあんたの側にいてあげる」

ほんと?

「まぁ、親友ってやつになりたいな」

なんてルウは少し照れたように言ってきた。

私も少し照れてしまった。

「じゃあハルが秘密を話してくれたからあたしも話しますか。」

え?ルウもなんか秘密があるの?

「あたしね?佐倉組の次期組長なの。」

佐倉組ってあの関東を牛耳る?!

すっごいな。やっぱいたんだ…

でも…

「そうなの?!かっこいいね!!」

かっこいい!すごいと思う!だって次期組長ってすごくない?
こんな子と親友とか、嬉しいかも。ふふ。

「そ、そう?」


話し込んでいたらいい時間になり寝ることにした。

私は明日から変装なしで学校に行こうと思う。
周りからなんて反応されるかわからないけど、ルウがついていればなんとかなりそう!


ルウと友達になれて良かった…

ありがとね。