「幼馴染みなら、信洋が家に帰した」

「…」

本当に?季龍さんの言葉をそのまま受け止められない。

「琴音、顔を上げろ」

「…」

「…上げろ」

顎を掴まれて強制的に顔を上げさせられる。季龍さんは、私の目を見るとその眉間のしわを深めてしまう。

私は、今どんな顔をしていたんだろう。ううん、きっと酷い顔をしていたと思う。

季龍さんを信じ切れていない目を、向けていたんだ。

手が離れる。

自然と再びうつむいたのは、罪悪感のせいか、それとも怖いから…?