「なるほどね。幼馴染みくんがここにこれたのは、キミたちの差し金があったからか」

「…宮内さんをどうする気だ」

「どうもしないよ」

「嘘!!学校にこなくなってから、あんなに痩せてた!琴葉ちゃんに何したのよ!!」

双子の憎むような視線に奏多は無表情で見返す。

暁は否定しようとしていたものの、奏多が一切口を開こうとしないことになにかを察して口を開かなかった。

互いに無言のまま時間が過ぎる。足音が響いたのはそれから間もなくだった。

「あーいたいた。どこにいんのかと思った」

間の抜けた声に顔を向ける。

やって来たのは信洋だった。表面上だけの笑みを張り付ける信洋は、麻夏の姿を認めると笑みを深める。