「来い」
密着していた体が不意に離れ、手を引かれる。
…ッ!?まさか、季龍さん本気?
ど、どうしよう。まさか修学旅行の最中にそんなこと…。わ、私今日どんな格好だったっけ?
頭はパニックを起こして全然考えがまとまらない。
どこに引っ張られているのか、訳がわからないまま足を進めいると、前からため息が聞こえてくる。
「本当に食うぞ」
…え?
少しだけ振り返っている季龍さんの頬が少しだけ赤い。
それを見て、ようやく我に返ってその場に踏ん張った。
季龍さんがあんな雰囲気出すから…。ついされるがままになってしまったのを後悔する。
「…っはぁ、遅ぇよ」
季龍さんに軽く睨まれるけど、恥ずかしくてそれどころじゃない。
季龍さんの両手を握ったまま、バクバクと音を立てる心臓が収まるのを待つしかなかった。


