賑やかな教室。少しだけ顔ぶれが変わった教室は、仲良し同士が輪を作って話が弾む。

それもそのはず。黒板には大きく議題であり、学校生活最大?のイベント修学旅行という文字がでかでかと書かれていた。

そう、高校2年生になってすぐクラスメイトの中でもこの話で持ちきりだった。

修学旅行は6月。行き先は日本最南端の県、沖縄県だ。

国内なんだとちょっと意外に思ったのは、中学時代のお坊っちゃま、お嬢様学校の考えに汚染されてるせいだと自覚して振り払った。

少し飛んでいると、肩をつつかれる。1年の時からのクラスメイト、華さんだ。

「琴、なにボーッとしてるの?班分け、早く来てよ」

華さんの言葉に思わず返事に困る。

いや、サボってたとかそんなんじゃなくて…。

そっと視線で様子を伺う先には我介さずを貫き通しそうな季龍さんの姿がある。