「旦那さんが来るまで、待っていて下さいね」

「あ、あの…すみません、外に出たいんですが」

「でも、旦那さんがもうすぐ見えますよ?」

「すぐに戻ります。旦那には、伝えておいてください」

女性は渋々と言ったように了承してくれる。頭を下げ、急いで控え室から出て外を目指した。

協会を出ると、海風に当てられて思わず腕を顔の前に出す。風が落ち着いたのを見計らって腕を下げて、ドレスが汚れないように進む。

岩壁ギリギリまで足を進め、そこから下を見ると断崖絶壁もいいところで、波が打ち付けられている様子が見てとれた。

それをしばらく見つめ、1つ息をつくと持ってきた物たちに視線を向ける。