弾ける音と、体にかかる何か。恐る恐る目を開けると、厳つい笑顔が並んでいた。

「「「「「誕生日、おめでとうございます!!!」」」」」

きれいにそろった声。ひらひらと落ちていくのは、色とりどりの紙ふぶき。

クラッカーを手にして、パーティー用の三角帽子、黒メガネにちょび髭つきのメガネ。

厳つい顔には全然似合わないそれらを身に着けている組員さんたちに呆然としていたけど、急に笑いがこみあげてきて口を手で覆う。

「あははッぜ、全然似合ってないですよ」

「「「ッひっでぇ!!?」」」

こらえきれずに笑い出してしまう。組員さんたちの一部から非難の声が上がる。

それでも、笑いを止めることはできなくて、お腹を抱えて笑い続ける。そうしていると、自分の笑い声にいくつもの声が重なる。

笑い声に包まれる雰囲気は一気に和やかになって、笑いを止めるのも難しくなる。

「琴音」

頭に手を置かれる。なんとか笑いを堪えて季龍さんを見ると、顎で何かを示される。その先につられて視線を向ける。

それを見た途端、スッと笑いは引っ込んで止まる。