「「「おかえりなさい!!!」」」
季龍さんがドアを開けた途端、側にいた組員さんたちが声を揃えてお出迎えする。
その声に驚いたのか、季龍さんは一瞬目を見開いてなんとか返事をする。私も驚いて声すらあげられなかった。
季龍さんと視線が重なる。その瞬間、高鳴った心臓を押さえながら笑って見せる。
「おかえりなさい、季龍さん」
「あぁ、ただいま」
くつを脱いだ季龍さんは、私の頭を撫でてくれる。
あったかいなぁ…。されるがままに撫でられていると、手を引かれて目を開ける。
「来い」
手を握られたと同時に引き寄せられる。目を開けると、微笑んだ季龍さんの横顔が見えた。
…ダメだ。季龍さんが好きだと気づいてから、些細なことばっかりで惹かれてる。私、こんな風だったっけ?


