「ッそこまで言うなら、見せてみろ!!そのパスワードを解除し、中のデータを今、ここで!!」
最後のあがきだ。
でも、そのあがきは効果的だ。このパスワードを開く手段を永塚組は持っていない。
どうするんですか、信洋さん…。
先程まで、あんなに話していた信洋さんが口を開かない。源之助さんも、季龍さんも…。
やっぱり、このパスワードを解除する方法はないままなんだ…。
沈黙が落ちる。その沈黙に、1度は落ちたと思った陣之内総一郎の表情に、再び笑みが灯る。
「なんだ?開けないのか?中を見ないまま、お前らはあんな出鱈目をほざいたのか!?」
誰も何も言わない。そのことに、陣之内総一郎はますます士気を上げていく。
「これは陣之内家に対する名誉毀損だ!!お前たち、無事ですまされると思う…」
「琴葉」


