それにしても、源之助さんたちはどうしてしまったんだろう。

このまま現れなかったら…。

そう考えて頭を振る。そんなこと、源之助さんが…季龍さんがするわけない。

大丈夫。大丈夫、だから…。

「遅くなって申し訳ない」

不意に聞こえてきた声に、弾かれたように顔を向ける。

今到着したばかりだと思えないほど落ち着いた様子の源之助さんと、その後ろに控える季龍さん、信洋さんの姿に顔が綻ぶのが分かる。

季龍さんと視線が重なると、さりげなくそばに来てくれた季龍さんに、気づいたら服の裾を掴んでしまったけど、離したくなくてつかんだままでいた。

「遅れるなんて珍しいな。…その足、想像以上に不便だと見えるな」

唐突に源之助さんを挑発した陣之内総一郎の言葉に違和感を覚える。

でも、その違和感を探るまでもなく、源之助さんは何でもないように準備に手間取っただけだと切り返した。