心臓が音を立てる。痛かったはずの鼓動がどこか心地よく感じる。 その鼓動に耳を傾け、目を閉じる。温かくて、少しだけ苦しい。 そのまま落ちようとした意識は、不意に開け放たれた襖に引き戻される。 「…暁、くん?」 襖を開けたのは、暁くんだった。ただ、その目は淡々としていて、感情を映していなかった。 手を伸ばそうとした時、暁くんが右手に持つ物に目を奪われる。 …ハサミ? 「どうし…」 「わりぃ」 「え?」 大きく開かれたハサミがまっすぐに向けられた。 ―バチン…