先生と私

そのまま月日が流れ、2年生になって初めての定期試験。

試験返却日、たくさんのテストが返ってくる。

返されるたびにわーきゃー騒ぐ。

次は私が得意な教科、数学の試験返却。

返却されてみたら、72点。

びみょ〜と思って答案みたらどう見ても丸が多い。

これしか間違えてないのに72点??点高いところ間違えたんだ、最悪。

解説とともに配点も説明されていく。

最後まで解説が終わり、配点を元に自分の点数を出してみる。

結果、86点。

3回くらいやり直した。けどやっぱり86点。

「点数間違ってた人は前へもってこーい」

先生と喋りたくなかったが、点数は上げたいので前へ行った。

点数が違うことを説明し、先生が数え直す。

「あ、ほんとだ!ごめんね。でもよく頑張った。」

〝よく頑張った〟

私はその言葉にふと笑顔になってしまった。

勉強で褒められたことはそんなにない。

東大に受かるために勉強に励んでいるクラスの人達に比べれば、勉強時間なんか全然少ない。

それでも努力を認めて褒めてくれた先生のその言葉に、ふと嬉しさがこみあげた。