会場に近づくにつれ、どんどん人が増えてきた。 大きなビルや、よくテレビで見るような店が私の前に姿を現す。 東京にいた頃のような世界だった。 遠い先まで見えない、狭い空間。 どこを向いても人と建物。 徐々に小さくなりながら会場についた。 「終わったら、また公衆電話とかから電話してな。私、そこらへんで買い物してるから。頑張って!」 小さくガッツポーズをとる千佳さんと別れ、私は一人、会場に入った。