部屋を後にした、舜英と泡鈴は無言のまま部屋に向かった。

部屋につくと泡鈴が舜英に頭を下げた。

「勝手をして申し訳ありませんでした。しかし、後悔はありません。」

舜英は、一つため息をついて、そしていつものように微笑んだ。

「全く、貴方という人は……。自分の為に死すら共にしてくれる者を私が如かれるわけないではありませんか。」

「私は世界一幸せ者です。」

舜英の言葉に泡鈴は緩みきった涙腺を引き締める事はできなかった。

ボタボタと大粒の涙を零す泡鈴に舜英は、寄り添い「ありがとう。」と、何度も呟いた。