【佑唯side】

《もしもし、千条さんですか?》

《そうですけど、誰ですか?》

電話に出たのは、いいものの電話向こうの彼女はどうやら千春ではないらしい。

《私は、千春の友達の平山 穂花です。千春のことで少し話があるんですけど今から会えませんか?》

いきなりの電話にいきなりの誘い。

全てが怪しすぎて警戒するも千春という名前に仕方なく俺は誘いに乗ることにした。

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「はじめまして、平山です。」

「…千条です。」

結局、駅前待ち合わせで向かいに立つ平山 穂花とかいう千春の友達の何か物言いたげの姿から俺は今から怒られるんだなっていうことが読み取れた。

「それで千春の事なんですけど、あなたに振られてから千春ずっと元気がなくてその度にこう言ってるんです、

『伝えたいことも伝えられなかった』

って、何でしっかり千春の話を聞かずに振っちゃったんですか?」

案の定、平山さんは怒り気味に言葉を発するもその言葉はちゃんとまとまっていて俺は、花火大会の時に何かを言おうとしていた千春を置いて帰った時のことを思い出し顔を背けた。

「ーっ!千春のこと散々好きにさせといて、自分勝手に振るなんんて!千春の1番の友人として許さないんだから!!」

それだけ俺に怒鳴りつけると平山さんはスタスタと俺の前から姿を消した。

友人のために、初対面の人に怒鳴りに来るなんていい友達を持ってるんだな

って少し笑ってしまうも平山さんの言葉に俺はもう一度、千春に会うことを決めた。