｢お前が泣きながら頼んできたんだからな？やっぱ聞きたくなかったは無しだから。｣

涙を拭いた私に佑唯くんは足の手当をしながら仕方なさそうに言う。

私はその言葉に大きく頷くと

｢ちゃんと聞くよ。｣

涙声になりながらも呟いた。

はぁ…、

と1度佑唯くんのため息が聞こえるとそれを合図に佑唯くんは言葉を吐いた。

｢ー俺の両親は俺が中学の時に離婚してるんだ。｣

いきなり吐かれた衝撃の言葉に続いて次々と佑唯くんの過去が明かされていく。

｢父の浮気が離婚の原因で俺はもちろん母さんの方について行きたかったけど母さんは持病持ちだったことで働けず結局、俺は父さんの方へ引き取られることになった。

それから数ヶ月後、父さんは何食わぬ顔で家に浮気相手を招き入れた。

そのうち2人は結婚すると言い始め俺が中3の時、2人の子供が生まれた。

当然ながら俺は厄介者扱いになった。

精神的に色々きつかった。

知らない女が家にいてその女と父さんの子供も家にいる。

俺の話なんて誰も聞いてくれなかった。

そんな時、俺をさらに追い詰めるように母さんが亡くなった。｣