「ーっ佑唯くん!!」

彼が私のところまで歩いてくるのが待てなかった私は、足が痛むなか佑唯くんへと駆けつけると絶対に離さないと言わんばかりに思いっきり彼に抱きついた。

懐かしい佑唯くんの匂いに、佑唯くんの温もり…私の中の佑唯くんへの気持ちが溢れ出して涙が出てきた。

「ーっ。…ほら、千春…足見せろ。」

初めてあった時みたいに彼は私のことをお姫様抱っこするとベンチに座らせた。

「一応、皮むけたとこあらっておくか…。」

そう言ってハンカチを手に私の前から離れようとした彼の服の裾を掴む。

ダメ…、もう逃げないで…。

「…大丈夫だって、ハンカチ濡らしてくるだけだから…。」

佑唯くんは逃げない。

信じたいけど、私は首を横に振った。

「ーんで…?」

「ん?何?」

だって、まずは聞きたいことがたくさんあったから。

ハンカチを濡らすよりも先に、私の手当をするよりも先に知りたいことが山ほどあった。

私は、佑唯くんの服の裾を絶対に離さなかった。

「何で佑唯くん弁解しようとしてくれないの?何で私に会ってくれないの?先輩の彼女さんを奪ったって本当?女たらしって何で?」

話してくれなきゃ佑唯くんのことを信用できないよ…。

また、私の目から涙が零れた。