次の日から佑唯くんは、駅に現れなくなった。

何も教えられないまま、弁解されないまま時間ばかりが過ぎていく…。

しかもいつの間にか明後日から夏休み。

このまま、佑唯くんに会えないのかな…なんて思うと行動せずにはいられなくて、私は終礼後、自分の荷物を持つと勢いよく教室内を後にした。

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向かった先は、学校からいつも下校時に使っている駅で佑唯くんも必ず使っているはずの駅だった。

駅のなかで何分も佑唯くんの姿が現れるのを待つが中々現れず時計は既に5時半を指していた。

このまま待っていたら親に怒られるな…と諦め踵を返した時…。

「千春ちゃん!」

聞き覚えのある声が後から聞こえ振り返った。

「冬本先輩…?」

そこには、いつも通りニコニコの笑顔を浮かべた冬本先輩の姿があった。
先輩はいつも遅い時間まで委員会してるんだな〜って関心してると冬本先輩は私の顔を覗き込むようにして聞いてくる。

「こんな時間までどうしたの?千春ちゃん」

あの時…、佑唯くんと会った時の雰囲気なんか感じさせないくらいのいつも通りの冬本先輩の様子にホッとする。

「佑唯くんを待ってたんです…」

けど、その私の言葉を聞いた瞬間冬本先輩の顔は一瞬だけ引きつったのを私は見逃さなかった…。