「あれ…、千春ちゃん?と千条…」

揺れる電車の中しばらく佑唯くんと話していると急に聞き覚えのある声が聞こえ顔をあげた途端、目の前には冬本先輩がいた。

「あっ、先輩…、先輩も電車だったんですね!」

いきなり現れた先輩の姿にびっくりしながら近くに同じ高校の人が居ないか確かめるも、テスト期間中だからかこの時間帯の電車には流石に先輩と私を抜き同じ高校の人がいないことにホッと肩をなでおろした。

「うん、次の駅で降りるから場所移動したら千春ちゃん達いたからびっくりしたよ…」

「そうだったんですね!」

先輩はきっと図書委員の仕事で帰るの遅れてるんだろうな〜って、たわいもない話で冬本先輩と私で話を盛り上がっていたけど私は佑唯くんの存在を思い出す。

「あっ、…先輩この人は友達の…

「千春、いいよ紹介しなくて…。冬本なら同中で俺のこと知ってると思うから…」

急いで先輩に佑唯くんを紹介しようとしたけど佑唯くんに紹介するのを止められた。

それに…なんか…、

「佑唯くん…?どうし…

「千春ちゃん、千条のこと佑唯くんって呼んでるんだね…」

佑唯くんの冬本先輩を見る目も冬本先輩が佑唯くんを見る目もお互いを睨んでいるようだった。