図書館に着くなり荷物を私の座っている隣の椅子に置き佑唯くんは本のぎっしり詰まった棚と棚との間、本の森へと消えていった。

想像していたのとは違う状況に拍子抜けしながらも大量の課題の中から数学のワークを取り出しテーブルの上へと広げる。

そういえば

"調べたいことがある"

って佑唯くん言ってたっけ…と中々、本の森から帰ってこない佑唯くんのことを考えながら何度かつまずきながらも難しい数学の問題を解く。

けど!やっぱり難しい!

合格できたのが奇跡なぐらい偏差値の高い私の通う南高は毎回当たり前のようにすごくハードな問題を出題してくる。

そのせいかワークの問題もそこそこ難しい。

ある程度解いたところで…

ピタッ…。

と手が止まってから数分…"わからない問題は抜かせ"という誰かからの教え通り次の問題に進もうとするも次の問題も解けず握っていたペンは進むことなく一歩後ろへと戻る。

頭の中の公式に当てはめようとするももしかしたらこの公式かも…という公式が何個もひょこひょこと顔をだし…ついにギブアップ。

私はワークへと顔を突っ伏した。