【駅前で4時ぐらいに待ってる。】
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「ー起立、礼。ありがとうございました〜」

「じゃあ、穂花また明日!」

「うん!千条くんと仲良くね!」

「うっうん!」

日直の挨拶が終わるなりクラス中に緊張感の解けた放課後の教室内、独特の雰囲気が漂う中、私はドキドキする気持ちを抑え込みながら教室を出た。

早足で学校を後にしてはやる気持ちを抑えきれなかった私は人気の少ない道に出るといっきに駅まで走った。

ー佑唯くんのいる駅へと。

「千春っ、」

「ごめんなさい。今日色々と学校終わるの遅くて…」

約束の4時はとっくのとおに過ぎ今は4時半。

あまりにも遅れすぎている。

多分走らなかったらもっと過ぎていただろうな…って考えたらゾッとした。

「走ってきたのか?」

「あっ、うん!これ以上遅れたら佑唯くん帰ると思って…。」

息を整えながら笑を作る私だけど内心は暑いしところどころ染み出た汗がベタベタして気持ち悪くてうんざりしている…。

「帰ろうと思ったらちゃんと連絡するし、お前も遅れるなら遅れるって連絡くれれば俺は何時間でも待ってるから…。」

そんな私にため息混じりに佑唯くんはそういうとリュックからタオルを取り出し、私の頭へと被せた。

そのタオルからふんわりと香る柔軟剤の匂いからタオルが未使用なのが分かる。

「図書館つくまで使っていいから。」

「あっありがとう。」

「…いくぞ。」

なんやかんや言って優しい佑唯くんに今日も色々ドキドキする私だった…。