｢だって、千春のこと連れ出したり名前呼びしたり他には何か無いの？？｣

楽しそうに話す穂花に言われ今朝のことを思い出す私。

今朝は、確か…猫の話をして…、

あれ、どうして猫の話したんだっけ…

あっ、そういえば…！

｢連絡先交換した…！｣

連想するように今朝のことを思い出した私に

｢やっぱり！｣

と穂花はぴょんぴょんと興奮気味に跳ねだす。

｢それは、千条くんがもっと千春と親密になりたかったからだよ！脈アリだよー！｣

まるで自分のことでも話すようにグイグイと話してくる穂花に圧倒され気味の私は

｢まっ、待って｣

と掴まれている手をパーにして自分の顔の前に出し穂花との距離を取る。
穂花も私のその様子に流石に驚きの表情を見せる。

｢そっそもそも、私が佑唯くんのこと好きかどうかも…｣

｢好きじゃないの？｣

｢うっ…そっ、それは…｣

｢それは？｣

いつもの穂花からは感じられない真剣な眼差しで尋ねられ怯んでしまっていると穂花は私の少し上に目を向けると

｢あっ…｣

と声をもらした。

その途端後から、

｢うんうん、それは？｣

｢せっ先輩？！！｣

低い声が聞こえたかと思うと私の後ろには図書委員の資料を手に楽しそうにニコニコと笑顔を浮かべた冬本先輩が立っていた。