「はぁ…、はぁ…、遅れてすみません…」

結局、あの後千条くんに手を引かれすごい速さで走らされた私は息切れ切れに教室に着いた。

「あぁ、坂口か…、早く席に着きなさい。」

「はい。」

幸い午後1番の授業は国語のめんどくさがり屋の先生で遅れたことに何も追求されなかったがみんなから一気に視線が集まるなか教室に入る、あの瞬間はいつになっても本当に嫌いだった。

「おつかれ、千春…。」

「穂花〜。本当に色々ありがとう」

席に着くなり目の前の席に座る穂花に先生にバレないようにお礼を述べる。

「いいよいいよ!その代わり後で話聞かせてね〜」

予想通りの恋愛話好きの穂花からの返事に私は今回は仕方なく頷くことしか出来なかった。