「千春…?」

ふわふわの猫のクッションを前に"欲しいな〜"なんて目を輝かせていた私は千条くんの声を聞き思いっきり振り返った。

「千条くん!!」

良かった!会えた…。

少し心細かった私は無事に千条くんと会えホッと一息ついた途端…

「なんで雑貨屋にいんだよ、洋服店のそばで待ってなかったのか?」

千条くんの口から吐かれる言葉の冷たさから怒っていることが分かり私は肩をすくめた…。

「ごっごめん…」

そこでようやくハッとしたように彼は目を見開くと。

「いや…ごめん…すげー心配したからつい。」

片手で口元を押さえながら申し訳なさそうに謝った。

凄い心配させてしまったんだ…

私、最低だ…

それなのに千条くんに申し訳ないなと思いながらも心配してもらえたことが嬉しくてたまらない自分がもっと申し訳なく感じ、

「千条くん…、心配させてごめんね?あと、一生懸命探してくれてありがとう。」

私に怒ったことを気にしているのかこっちを向いてくれない千条くんの制服の袖をクイクイと引っ張り改めてお礼を言うと千条くんは、一瞬私をじっと見つめた後に…

「…うん。」

それだけ呟いてまた顔を背けた。