それからは、大変だった。

冬本先輩には、当番で同じになった時に何とか説得して距離を置いてもらうことを頼み込んだ。

いつどこで先輩達に見られているか考えただけでも怖くて、学校に行くのすら億劫になってくる…。

「千春、どうかしたか…?最近暗いけど。」

いつの間にか千条くんと一緒に電車に乗るのが当たり前になって、2ヶ月季節は春から梅雨に変わっていて千条くんの制服もブレザーから合服になっている。

千条くんはその合服の袖をいつも腕まくりしていた。

「なっ、なんでもないよ!」

私は、彼に心配させないように億劫な気持ちを押隠すように作り笑いを顔へと貼り付けるといつも通り駅へと滑り込んできた電車へと乗り込んだ。

私なりに普通を装っているはずなのに電車に乗ってからずっと私の顔を見つめている千条くんに困惑する。

けどそのまま時間が流れ電車が目的の駅のひとつ前の駅に止まった瞬間…、

グイッ…、

千条くんにいきなり手を引っ張られて私はその駅に千条くんに続いて電車から降りた。

えっ?えぇっ!!