「?!」

「あっ、千春っ!」

私の目の前に座っていた穂花が私が先輩女子達に連れていかれるのを見て席から立ち上がるも私は『来ないで』という意味を込めてブンブンと首を横に振った。

結局連れてこられたのは人気のない校舎の隅っこで女子達は私を囲うように私に向かい合って立った。

「ねぇ、坂口さんって蓮の何なの?!」
「この前も2人で話してたし、よく2人で廊下歩いているよね?」

あぁ、この人達たぶん冬本先輩のとりまき達だ…。

4人ほどの先輩達はみんな怖い目付きで私を見てる…。

私と冬本先輩の仲をうたがってるんだ。

ちゃんと誤解を解かないと…。

「私と先輩はただの委員会の先輩後輩なだけです。」

本当のことを言ったまでなのに気のせいか先輩女子達の目はどんどん怖くなっていく。
どっどうして…、

「ただの先輩後輩が何で廊下を2人で歩いたりお互いの教室を行き来してるの??」

声はあくまでも怒鳴るまではいかないけど明らかに敵意が混じっているのを感じる。

「それは、図書委員の報告やアンケート用紙など届けているだけで…

「そんなこと!先生に頼めばいいじゃない!!」

言葉を遮られようやく怒鳴られた私はもうどうすることも出来なかった。

先輩の言葉には一理あるし私も冬本先輩につい最近その事を頼んだばかりの事だったから…。

もう限界だった身体がカタカタ震えて…怖くてたまらなかった…。

それを見た先輩女子達は大きくため息をつくと、

「とにかく、これ以上馴れ馴れしく蓮に近づかないでくれる?目障りなの!」

冷たく言い残すと足早に私の目の前から去っていった。