「どっ、どうしたんですか?先輩。」

女子達の怖い目を向けられる中、みんなの目から逃れようと先輩を連れて人気の少ない所へと移動した私は目の前の不思議そうな顔で私を見る先輩に尋ねた。

「ああ!そうそうこれ、次の委員会までに集計して俺のところまでに持ってきて欲しいんだ。」

冬本先輩の用はやっぱり委員会絡みの事で私の手にはクラスのみんなへの読みたい本についてのアンケート用紙が渡された。

「分かりましたけど、先輩…、こういうのはこれから先生を通してもらえませんか?」

「何で?」

先輩が目立つから私がさっきみたいに怖い目で見られることがないようにと思い提案したことを先輩は相変わらず不思議そうに言うと、

「千春ちゃんの様子見も兼ねてしてる事だから先生には任せられないよ。」

続けてそれだけ残して自分のクラスへと戻っていった。

よっ様子見…?

先輩は本当に不思議な人だな〜。

って、少し呆れながら私も教室に戻った。