「…千条先輩…」

ボソッと呟いてみて思うが千条くんの名字に先輩の言葉が良く似合うけどなんか…

「先輩呼びは無しな、なんか距離置かれたっぽく感じるし。」

「えっ!って、あっはい。」

千条くんに思っていることがバレたのか思っていたことと同じことを口に出されびっくりしてしまう。

「それと、さっきから思ってたけど敬語も禁止な。」

「えっ?!あっえっと、はい。じゃなくてうん…。」

敬語禁止なんていいのかな…、だって歳上なんだよね。

なんか悪いな…。

「坂口、焦りすぎ。」

けど、千条くんは気にしていないというように楽しそうにわらってた。

今日の千条くんはよく笑う。

そんな千条くんを見るたびずっと私はドキドキしていた。

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「今日は、楽しかった…あっありがとう!」

「俺も、また明日な坂口。」

慣れてないタメ口で千条くんに別れを告げれば返ってきたのは『また明日』っていう嬉しい言葉で私は、家に帰ったら服のお礼と今日の出来事を穂花に教えようとワクワクしていた。