先輩はスラスラと注文を済ませているけど、私はメニューを見ても分からないものばかりでメニューと千条くんを交互に見つめていた。

どっどうしよう…。

けど、どうにもなるわけなくて私は千条くんを縋るような目で見つめるとそんな私の視線に気づいたのか私の代わりに千条くんは店員さんに何かを注文し、出された飲み物を手に店内の席に移動した。

2人がけの小さな席に向かい合わせに座ると千条くんはどうやら私に自分と同じものを頼んだらしく同じ種類の2つの飲み物のうち1つを手渡してくれた。

「俺のオススメのやつ。坂口も気に入るといいけど…」

千条くんのオススメという飲み物は、何かの飲み物の上に沢山のクリームが乗っかったものですごく甘そうだった。

けど…、私は恐る恐る1口それを口にすると目を丸くした。

「紅茶だ…。美味しい!」

クリームの下にあった飲み物の正体は紅茶で確かにどっぷりと乗ったクリームが少し甘かったけど、いい香りのするその千条くんのオススメの飲み物は癖になるほど美味しいく私は感激した。

「だろ?」

そんな私の様子にどこか自慢げな千条くんは、この飲み物から分かるようにどうやら甘党らしい。