どう見たって、これはヤバい状況だ。

よく小学生の頃、少女漫画で何度も見てきたけどこの状況をまさか自分が味わうことが出来るなんて考えたこともなかった。

「あっ、あの…無理しなくても…」

「坂口、昨日みたいに転びたいの?」

目の前で私の背もたれにある電車の壁に手をつきたくさんの人から私のスペースを取ってくれている状態の千条くんに申し訳なくて言ったつもりが失敗してしまい下に俯いた。

実際、転んではないけど昨日みたいなことは味わいたくなかったから素直に

「ありがとう…。」

とお礼を口にした。