「千春、それはもう運命だよ!!絶対アタックすべき!!」

またもや私の話を聞くなり確証もないことを言いはしゃぎ始める穂花に私は


「ええ?!!」と声を漏らした。

確かに、運命だとしたらロマンチックだと思う…けど、多分ただの偶然に違いないのだから勝手に好きになられて接近するなんて彼からしたら迷惑でしかないと思う。

第一、彼の方は私のことを覚えてない
のだから尚更だ…。

けど…。

「あっ、昨日の…」

次の日、最寄り駅のホームで電車が来るのを待っていると急に聞き覚えのある声が聞こえ振り返った先にはあの男子高校生がいた。

「あっ、えっと…、昨日はありがとうございました…。」

彼に会うなり咄嗟に頭を下げた私に彼は、

「あぁ…、どーいたしまして…」

と少し小っ恥ずかしそうに首の後ろに片手をやりながら答えると私の隣に並んだ。

うっ嘘、こんなことって…。

というか、今回は覚えててくれたんだ!

ずっと、春休みの間考え続けていた彼が今隣にいると思っただけでも心臓がドクドクしてうるさかった。