「明日は、テストがあるので筆記用具を

忘れないようにしてくださいね。では

、また明日。」

春休みはあの日あった名前も知らない彼のことを考えている間に過ぎ去っていきあっという間に高校の入学式を迎えた。

真新しくてまだ硬い制服に身を包み心配しながらクラス表の前に立った私は、そのクラス表に友達の穂花の名前がああったことから胸をなでおろした。

穂花とは、出席番号順で席が離れていて周りが知らない人だらけだったけれど同じクラスに穂花がいるそれだけでも心強かった。

入学式後のHRはすぐに終わり渡された荷物を持って教室を出た私のあとを追って教室を出てきた穂花と一緒に帰ることになった私は、あの時の男子高校生のことを仕方なく話すことにした…。

なぜなら、彼女はこういった恋の話が大好物だから相談には向いているはずだ。

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「ええー!!!?あの後そんなことあっ

たの?!…というかなんで靴擦れした

こと教えてくれなかったの!!」

驚きと攻め言葉を同時に飛ばされ苦笑いしてごまかす私に彼女はいきなり確証もないことを言ってきた。

「千春…、それは恋だよ!」

私が彼について悩んでいたことも話すなり千春はすぐにそれを恋だとくっつけてきた…。

けど、これが…恋?

まだ恋を経験したことのなかった私は穂花の言葉に疑心を抱かずにはいられなかった。