1人で立とうとしている私に少し呆れたような顔をしながら彼は、こちらに体を向けなおす。

そんな呆れた顔しなくても…

そう足に力を入れ立とうとした。

そのたった一瞬、靴が傷口にあっただけで触れた時の痛さは足首全体に広がった。

「いっ…!!」

そして、中途半端な態勢で立っていた私は案の定バランスを崩してしまい向かいにしゃがんで私を見ていた彼の方へと倒れた。

「っぶね…。…つーか、立ててねーじゃん…」

私のことを受け止めるべく歩道に尻もちを付いてしまった彼に申し訳なさと恥ずかしさで顔を背けた。

けど次の瞬間、彼は私の手を掴むと…、

「あぁっ、めんどくせぇ。行くぞ!」

強引に私の手を自分の方に引っ張ると彼は私を軽々と私をお姫様抱っこした。