「間接キッス。いただきます」

うふふ。
思い出し笑いで目覚めた
日曜日。

今日もバイトだ。

鏡を見ると口角が上がっていた。

今だ、今がチャンスだ。

怖くて見れなかった
しゅんのメールを読んでみよう。

「もえこ、嘘ついてるんだよ」
とか、書いてるかもしれないよ。
ね、佐川くん。

前向きの気分をマックスで
メールを開けると

答えはNOだった。

知ってたはずなのに。
涙が止まらない。

「名前だけの彼氏だったんだよ。俺」

イミフメイ。

後は、ごめんの謝り倒し。

知ってるよ。
優しいもんね。
しゅんは。

「悪いのは俺。メイは大切な人なんだ」

大切なのに。
彼女じゃないの。

一気に口角は下がった。
下がった口角と一緒に
わけわかんない声と涙が出た。