沙夜香達も夕食を食べ終えて沙夜香の部屋に言った。いつものベットに枕が2つ。

「よし。今日はいっぱい語るよ!」

そう言って瑠璃子はベッドに飛び込む。

「寝ようよ。今日は疲れちゃった。」

そう言いながら沙夜香もベッドに入る。

「駄目よ。沙夜香の執事との恋物語を聞くんだから。」

沙夜香は顔を真っ赤にして布団に潜った。

「進展ないし。あるはずもないもの。」

だけど!と、瑠璃子はその布団を剥いだ。

「多分だけど、直樹さんも沙夜香の事好きだと思うよ?」

「そんな事ないわ…」

どうしてよ?と尋ねる瑠璃子に沙夜香はぽつぽつと話し出した。

「直樹さんには婚約者がいるんですって。とっても大切な婚約者が。」

沙夜香は声を震わせて話を続ける。

「それに、私は年が違いすぎる。身分も、何もかも違いすぎるから…」

静かにそう言ってから瑠璃子に抱きついた。

「諦めるしかないの。」

小さく呟いた言葉に瑠璃子は沙夜香をぶった。

「そんな事で諦めていいの?執事と結婚したお嬢様なんてこの世にたくさんいるわ。それに、毎日好きな人に会えているんだもの。絶対諦めちゃ駄目!」

ね!っと沙夜香に笑いかけると、沙夜香は力なく笑って、眠ってしまった。

「ほんと、これだからお嬢様は…」

まぁ、わたしもだけど。と言いながら、瑠璃子も布団に潜り込んで眠りについた。