ーーーー12年前。
まだ自分が15歳、中学3年生だった頃の事。
俺は癌で入院していた。癌と言っても、治療をすればすぐに良くなる程度で、1年半の入院だった。
その時の隣の部屋に4歳の女の子がいた。
名前は…
時枝沙夜香。
酷い喘息持ちで、ほとんど病室から出られなかった彼女を楽しませようと、俺はたくさんの贈り物をした。
花、お菓子、おもちゃ、絵…
10も年下の女の子に、って笑われるかもしれないけれど、一目惚れだった。
俺は彼女の誕生日に、赤い薔薇の中に白い薔薇を1輪束ねた花束を彼女に贈った。
彼女は俺の贈り物を喜んでくれて、彼女は俺にこう言った。
「さや、なおきお兄ちゃんと結婚する!」
それを聞いた彼女の父親は慌てて彼女を叱った。時枝家とだけあって、教育には徹底していた。
どんなに親しくても年上の俺の事は、“直樹さん”と呼ばせているらしい。
だけど、彼女は父親の目を盗んで“直樹お兄ちゃん”と呼ぶ。
「沙夜香!直樹さん、だろう?それに、結婚なんて…」
「いいんですよ。僕も沙夜香さんと結婚したいです。」
彼女の父親は俺の言葉を聞いて、驚いていたが何も言わなかった。
まだ自分が15歳、中学3年生だった頃の事。
俺は癌で入院していた。癌と言っても、治療をすればすぐに良くなる程度で、1年半の入院だった。
その時の隣の部屋に4歳の女の子がいた。
名前は…
時枝沙夜香。
酷い喘息持ちで、ほとんど病室から出られなかった彼女を楽しませようと、俺はたくさんの贈り物をした。
花、お菓子、おもちゃ、絵…
10も年下の女の子に、って笑われるかもしれないけれど、一目惚れだった。
俺は彼女の誕生日に、赤い薔薇の中に白い薔薇を1輪束ねた花束を彼女に贈った。
彼女は俺の贈り物を喜んでくれて、彼女は俺にこう言った。
「さや、なおきお兄ちゃんと結婚する!」
それを聞いた彼女の父親は慌てて彼女を叱った。時枝家とだけあって、教育には徹底していた。
どんなに親しくても年上の俺の事は、“直樹さん”と呼ばせているらしい。
だけど、彼女は父親の目を盗んで“直樹お兄ちゃん”と呼ぶ。
「沙夜香!直樹さん、だろう?それに、結婚なんて…」
「いいんですよ。僕も沙夜香さんと結婚したいです。」
彼女の父親は俺の言葉を聞いて、驚いていたが何も言わなかった。