3日後…

今日から学校がはじまる。

「おはようございます、沙夜香様。」

直樹が朝食を運んできた。

「おはよう、直樹さん。」

ちょうど制服を着たところだった沙夜香はノックの音で扉を開けに行った。

「制服姿も可愛らしいですよ。」

直樹は部屋を出る前にそう言ってから扉を閉めた。

扉が閉まったのを見て、沙夜香はベッドに飛び込んだ。

最近、やけに直樹がかっこよく見えて仕方がない。

普通ならここでこれが恋だと確信するが、こういうお嬢様は気付かないことが大半。

沙夜香も紛れもないその1人だった。

いつまでも呑気にはしていられないので、慌てて朝食を食べて、鞄を持って玄関を出る。

リムジンの扉を開けて待ってくれていたのは直樹だった。

車に乗り込み、直樹が車を出したのを見計らって沙夜香は声をかけた。

「直樹さん、今日迎えに来てくれる?」

どうしてそんな事を言ったのか分からない。だけど、確かめたかった。

何を?何かを、だ。