あっちじゃなくて、俺のほう向いて。

「ど、どうしたの、急に。」

「折角のクリスマスイブに、芽依ちゃん泣かせてる訳にはいかないから。」


そう言って自分に向けられた笑顔に

私は思わずドキッとした。


「………芳樹くんの彼女になる人は、きっと幸せものだね。」


私が言うと、ぼそっと芳樹くんが何か言ったような気がしたけど

よくきこえなかった。